Brexit(ブリグジット)「貿易に大きな影響」
先週英国が欧州連合(EU)を脱退すると表明し、世界経済に混乱を引き起こした。
その影響は長引き、深いものになりそうだと野村證券のアナリストは語る。
英国の海運およびロジスティック部門はBrexitのショックから生じるポンドの下落を
吸収しようとしており、運送業界も先行き不透明な不安に備え、ヨーロッパおよび
その他の地域と新たな関係を結ぼうとしている。運賃やサプライチェーンのコストが
上がり、GDP成長率が低迷するのを恐れである。
「英国経済は震源地であり、当然のことながら最も悪影響を受けており、その影響は
むしろ長期化する可能性がある。そう野村證券は語る。「IMFは最近、英国経済が受けるBrexitの短期的な影響を推定し、9種の実証研究を行った。
すると実質GDPの下落は1%から」6%の間で、高い不安要素が目立ち、
最終的にBrexitが英国にどれだけの悪影響を及ぼすかがはっきりした。」
野村英国のエコノミスト、Philip Rush氏は、英国のGDPが、少なくとも2%落ち込むと
想定している。「たとえば、どれだけ早く、EU諸国と離脱について話し合いを
進められるか、そしてそれが成功するか。また、60近くの非EU諸国と貿易関係を
再交渉できるのか?EUの法律から英国の法律に改正するのに当たり、
混乱は生じるのか。スコットランドも独立に向け国民投票を行うのか。
不確定要素は数え切れない。」
英国経済は世界のGDPの4%(2015年)と、小さなものであるが、Brexitが引き起こす
世界への影響は長期的なものになるといえよう。
野村證券は現在、強い国際貿易関係を持ち、経済が開放されているという点で、
強くBrexitの影響を受けると読み、日本のGDPを5.9%から5.6%に下方修正した。
「2016年のGDP成長予想はパーセントポイント(pp)で表記する。
下方修正が大きいのは
香港(1.0pp)
シンガポール(0.7pp)
この2国は経済が開放されており、経済ハブとしての役割や換算レートを考慮すると、
影響が大きい。そして
タイ(0.5pp)
マレーシア(0.4pp)が続く。
オーストラリア、中国、インドネシア、フィリピンへの修正はたったの0.2ppを
予想している。」
記事提供:OOCLロジスティクスジャパン株式会社より